骨と関節を守る取り組みは、高齢者本人のQOLの維持向上のために必要なのはもちろん、健全な高齢社会 を作るための社会的な取り組みでもあります。
日本は現在急速な高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者が急増しています。2000年の介護保険制度が開始された当初218万人だった要介護認定者は、2004 年には74%増の379万にまで増加し、その保険費用は6兆円を超え、制度運営上の大きな負担となっています。
このようなことから、厚生労働省・介護制度改革本部がとりまとめた『介護保険制度見直しに関する意見』(2004年7月)では「介護予防の推進」が見直しのひとつ目のポイントとして位置付けられ、これまでの「介護」だけのモデルから「介護+予防」モデルへの転換の必要性が提言されています。
『2001年国民生活基礎調査』によると、介護が必要となる原因として一番多いのは「脳血管疾患27.7%」、続いて「高齢による衰弱(16.1%)」、「転倒・骨折(11.8%)」、「関節症(10.4%)」となっています(図5)。ここで「骨折・転倒」と「関節症」を、「骨と関節の疾患」として考えると合わせて22.2%となり、「骨と関節の疾患」は「脳血管疾患」に次ぐ要介護状態のきっかけとなっていると考えることができます。「介護+予防」モデルを実現する上で、「骨と関節の疾患」の予防に向けた取り組みが大きなカギを握っているといえるのではないでしょうか。
図5〈介護が必要となる原因〉
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