私たち日本人の平均寿命は、平成16年簡易生命表によると男性78.64歳、女性85.59歳で、男女ともに5年連続で過去最高を更新し、女性は20年連続で世界一(男性は3位)となっています。
また世界保健機関(WHO)が発表している、寿命から病気やけがの期間を差し引いた寿命「平均健康寿命」においても日本はWHO加盟192カ国中で第1位の75.0歳(WHO『Healthy Life Expectancy 2002』より)となっていることから、私たち日本人は単に長生きということではなく、健康かつ長生きであるということが分かります。(表3)
表3〈 平均健康寿命上位10カ国 〉
国 名 | 平均健康寿命(年) | ||
---|---|---|---|
男 性 | 女 性 | 男 女 | |
1 日本 | 72.3 | 77.7 | 75.0 |
2 サンマリノ | 70.9 | 75.9 | 73.4 |
3 スウェーデン | 71.9 | 74.8 | 73.3 |
4 スイス | 71.1 | 75.3 | 73.2 |
5 モナコ | 70.7 | 75.2 | 72.9 |
6 アイスランド | 72.1 | 73.6 | 72.8 |
7 イタリア | 70.7 | 74.7 | 72.7 |
8 オーストラリア | 70.9 | 74.3 | 72.6 |
9 スペイン | 69.9 | 75.3 | 72.6 |
10 アンドラ | 69.8 | 74.6 | 72.2 |
*WHO「Healthy Life Expectancy2002」より
健康と長寿が実現した社会は、ひとつの理想的な社会ということができますが、その一方で、日本は少子化が進み(2004年の合計特殊出生率は1.29)、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は急速に高くなり、2004年10月1日現在、65歳以上の高齢者人口は過去最高の2,488万人で、その高齢化率は19.5%です。
今後、2015年には4人に1人(推定高齢化率26%)、2050年には3人に1人(推定高齢化率37.7%)が高齢者の時代に入ると推定されています。
一般に、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会(aging society)」 、14%を超え、高齢化が安定した社会を「高齢社会(aged society)」といいます。
高齢化の速度を比較する指標の倍化年数(高齢化率が7%の高齢化社会から高齢化率14%の高齢社会に達するまでの所要年数)を他の先進諸国と比較すると、フランス115年、スウェーデン85年、ドイツ40年、イギリス47年なのに対して、日本はわずか24年(1970年→1994年)で、世界的に見ても日本の高齢化の速度は急なものであるといえます。
このような急速な社会構造の変化の中で、日本が世界一の健康長寿国としてどのような高齢化社会 を実現していくか、高齢者の生き方や生活の質が問われる時代を迎えたといえるのではないでしょうか。
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